前払いカード客|長谷部さま

自信満々に「わたしのタイプは自分」だと言い放った、愚鈍で思い込みの激しい長谷部さま。

 

その後は、彼がどれほど仕事で成果を上げたか、そしてそのほとんどの資産を、離婚の際に男気をもって嫁・子供にくれてやったかを大いに語ってくれた。三文芝居である…。

 

(…で、だから今はお金がないと?? 微笑)

 

そして、長谷部さまは、どうやら客引きスタッフの昔からの馴染みらしい。

 

なぜわかったかというと、タイムアップのコールをしてきたのが客引きスタッフだったからだ。

 

「長谷部さま、お話し中失礼いたします…そろそろお時間なのですが…延長されますか?」

 

すると長谷部さま、とことこと席を離れ、なにやら客引きスタッフとコソコソ話をしている…

 

「…ったく……カード切れるかな~?一応切ってみて!」

長谷部さまは使い古された革の財布から、シルバーのビザガードを差し出しそう言った。

 

(なるほど~ 前払い客なのか~ 本当にお金ないんだ~)

 

ご存知の通り、キャバクラは後払い制度が基本である。でもたまーにいるのですよ、先にお支払いになるお客様が。

先払いのお客様は2タイプいらっしゃって、1つ目のタイプは「これ以上今日は払らわない」と自分に自制をかけるタイプ。この場合は現金でお支払いになる。団体様などが多いのが特徴~

もう1つのタイプは「現金もない、カードもギリギリ…でも飲みたい!!」と自制心がぶっ壊れているタイプだ。

 

当然、長谷部さまは後者である。

 

「1時間延長で5,000円、女の子の飲み代が2、3,000円くらいですので10,000円で切ってみますね?」

 

「…あ、あとあの子場内入れておいて!…でも切れたらだよー!」

 

そそくさと席に戻り、ドスンと先ほどの距離より近くに腰を下ろした長谷部さま。

「しんこちゃん、指名してあげたよ」

 

「わぁ、嬉しいです!ありがとうございます!!」(いらなーーい 泣)(丸聞こえー)

 

その店のシステムにもよるが、場内は基本的に売り上げに加算されない。この場合の売り上げバックは客引きスタッフへ、わたしには場内指名2,000円の売り上げが加算されるだけでバックはないのである。

 

よって…この場合は、「他のフリーにも回れない非常に迷惑な場内」ということになる。

 

しかし、案の定シルバーの見たこともないようなカードは切れ、わたしはもう一時間「自称わたしのタイプの男」の隣を動くことができなくなったのであった。

 

更に、悲劇は続く。

 

延長をして、時間の余裕で心にも余裕が生まれたのか、長谷部さまはこう言ってきたのだ。

 

「カードも切れたしさ、お前と付き合ってやるよ!」

 

(なぬ??)

TO BE CONTINUE…

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